中古車のオークションは個人で利用可能?参加する方法と注意点
中古車の売買で、「オークション」を利用する方法があります。中古車オークションと言えば、新車ディーラーや中古車業者が参加できる「業者向けオークション」のイメージが強いのですが、個人での参加は可能なのでしょうか。また、中古車オークションに出品される車種や価格なども気になる人は多いでしょう。そこ今回は、中古車オークションの種類や個人で参加する方法について、特徴や注意点と共に徹底解説していきます。
【種類別】中古車のオークションの特徴と流れ
中古車オークションには、新車ディーラーや中古車業者が利用できる業者向けオークション「オートオークション」と、特に難しい参加資格のない個人向けオークション「ネットオークション」の2つがあります。ここでは、中古車オークションの特徴や流れについて、種類別に解説していきます。
業者向けオークション
・業者向けオークションの特徴
業者向けオークションは、ディーラーや中古車販売業者などが参加するオートオークションのことです。業者向けオークションの参加資格は、各オークション会場の入会条件を満たす必要があり、一般の個人は参加することができません。業者向けオークションに参加するには、「古物商許可証の取得」や「店舗営業をしている」などの参加資格が必要です。
業者向けオークションでは、業者間で競争入札が行われるため、リアルタイムの適正な相場で売買できます。また、資格を有するプロの査定士が車両の評価をするので、車両の状態や修復歴の箇所なども細かく確認することが可能です。オークション会場によって出品車の台数に大きな差がありますが、新古車からクラシックカーまで幅広い車種が出品されているので、希望する車種が見つけやすいメリットがあります。
・業者向けオークションの流れ
国内には、業界最大手「USSオークション」、輸入車専門オートオークション「ZIPオークション」、国内新車メーカーが運営している「TAA」や「HONDA」、日本中古自動車販売協会連合会が運営している「JU」など、全国には約90もの業者向けオークション会場があります。ここでは、業者向けオークションの出品・落札の流れや仕組みについて紹介していきます。
≪業者向けオークションの出品・落札の流れ≫
- 各業者が売りたい中古車をオークション会場へ搬入する。
- 査定資格を有するプロの検査員が車両の査定を行う。
- 車両の撮影を行って、査定評価などをデータベースに登録する。
- オークション当日、ブロック別にセリが開始される。
- 業者による入札が行われ、出品車両が落札される。
- 出品者は成約車の書類を事務局へ提出する。
- 落札者は車両の搬出(自走または陸送)手続きを行う。
- 落札者は1週間以内に落札手数料と車両代金の支払いを行い書類を受け取る。
- 出品者は落札価格から成約・出品手数料を差し引いた金額を受け取る。
- 落札者はオークション会場が定める期間内に名義変更を行う。
オートオークション会員は、オークション開始前であっても、事前に会場へ出向いて下見を行うことができます。
個人向けオークション
・個人向けオークションの特徴
業者向けオークションには、厳しい参加資格が設けられているので、個人で参加することができません。個人が参加できるオークションとしては、参加資格がないネットオークションやフリマサイトなどの利用をおすすめします。
ただし、個人向けオークションでも、本人確認書類が必要になるなど、最低限の参加資格が設けられているので、会員規約などをチェックしてから利用して下さい。個人向けオークションは、手軽に個人間の売買が楽しめるので、中古車の個人売買を考えている人におすすめの売買方法です。
・個人向けオークションの流れ
個人向けオークションで知名度が高いのは、Yahooが運営している「ヤフオク」です。ここでは、ヤフオクを例に挙げて、車を売る流れを解説していきます。
- Yahooプレミアム会員に登録する。
- 出品するカテゴリー「自動車・オートバイ」「中古車・新車」を選択する。
- 車検証を元に車両情報を入力する。
- オークションのスタート価格や希望落札価格などの設定を行う。
- 税金などの法定費用や代行手数料などの経費を記載する。
- 車検証や車両の画像を撮影して商品画像の登録を行う。
- 出品完了。
ヤフオクで車を売りたい人は、有料会員「Yahooプレミアム会員」の登録が必要です。また、出品するには入会金・508円/月のほかに、出品システム利用料として3,080円が出品者の負担になります。個人向けオークションは、安い手数料で利用できる上、自分で車両本体価格が自由に設定できるなど、買取店よりも高値で売却できる可能性があります。
中古車のオークションに個人で参加する方法
業者向けオークションには、個人が直接参加することができませんが、代行業者を利用することで個人でも参加することが可能です。ここでは、中古車のオークションに個人で参加する方法について解説していきます。
業者向けオークションの参加資格を満たす
業者向けオークションは、中古車の販売店や買取業者が参加する「オートオークション」と呼ばれるもので、さまざまな条件をクリアしなければ参加することができません。業者向けオークションには、下記の参加資格を満たす必要があります。
≪業者向けオークションの入会条件≫
- 古物商許可証の資格を取得してから1年以上が経過していること。
- 適格請求書発行事業者(インボイスを交付できる事業者)に限る。
- 常設の店舗を持って自動車の売買(営業)を行っていること。
- 連帯保証人を自分で用意するか、USSサポートサービスが提供するSS会員制度保証を受けること。
- 保証金10万円を預託すること。
USS入会条件:https://www.ussnet.co.jp/application/condition/index.html
上記の参加資格は、国内最大大手の業者向けオークション「USS」の入会条件です。見て頂くと分かる通り、古物商許可の業者しか入会することができないため、一般の個人がUSS会員になることはできません。また、個人事業主にとっても入会条件のハードルが高く、業者向けオークションの会員になるのは簡単ではありません。
尚、オートオークション会場には、入口で会員証の提示を求められるので、例え業者であっても資格がなければ会場に入ることができません。
代行業者を利用する
者向けオークションの参加資格を満たしていない場合、代行業者に依頼することもできる
・代行業者のメリット
代行業者を介して愛車を業者向けオークションで売却するメリットは、業者のセリに直接参加できることから、買取業者で売却するより高値で売れる可能性があります。また、車両の搬入や売却に関する全ての手続きを代行業者が行ってくれるので、売り手は車両と必要書類を渡すだけで済みます。
代行業者を介して車を業者向けオークションで購入するメリットは、業者が仕入れる価格で車が購入できることです。希望する車両についても、1,000台以上の出品車の中から、プロの代行業者が車両の状態を見極めて選別した鮮度の高い中古車が購入できます。また、落札後の手続きや名義変更なども代行業者に委託できるので、買い手は注文した車が納車されるのを待つだけです。
・代行業者のデメリット
代行業者を介して愛車を業者向けオークションで売却するデメリットは、出品した車が売れなくても、出品料などの費用が発生することです。また、業者向けオークションは、セリ方式のため、売り切り(成約確定)になった途端、競り合うことなく安値で落札されることがあります。
代行業者を介して車を業者向けオークションで購入するデメリットは、落札後の車両は基本的にキャンセルすることができません。例えば、評価点の付いた車両を落札した場合で、落札後に事故車やメーター改ざんなどが発覚するなど、査定ミスが明らかな場合のみ、無料でキャンセルすることが可能です。また、車両の下見や入札の作業は、代行業者に全て一任するので、自分が思い描いている車両よりも、品質が低い場合があります。このように代行業者の質によって、さまざまなトラブルに巻き込まれる可能性があるので、信頼できる代行業者を選ぶことがリスク回避に繋がります。
個人向けオークションを利用する
個人では業者向けオークションの利用ができませんが、個人向けのネットオークションなら誰でも参加できます。例えば、先ほど「個人向けオークションの流れ」でも紹介しましたが、ヤフオクがそれに該当するサービスです。
しかし、ヤフオクなどの個人向けオークションは、プロによる査定が実施されないため、車両の品質や状態が不安定で、出品者によって大きく異なります。また、成約後は基本的に個人間の取引になるので、購入者のモラルによるものが多く、名義変更が遅かったり、入金されないなどのトラブルが頻繁に発生しています。
個人向けオークションの利用に不安を感じている人は、中間マージン無しで中古車の個人売買ができるサービス「MOTAダイレクト」があります。MOTAダイレクトは、業者間で掛かる輸送費や仕入れコストを大幅に削減することで、「買い手はより安く」「売り手はより高く」取引ができる仕組みが確立しています。
個人向けオークションでは組めないローンも、MOTAダイレクトならローンも利用できますし、運営母体のフレックス株式会社で購入後のアフターサービスも万全です。個人売買に不安を持っている人は、安心して個人売買ができる「MOTAダイレクト」の利用をおすすめします。尚、MOTAダイレクトは沖縄限定のサービスとなっているので、利用を検討している人は注意して下さい。
MOTAダイレクト:https://direct.autoc-one.jp/
中古車のオークションでトラブルを防ぐポイント
中古車オークションでは、さまざまなトラブルが起こります。しかし、どのトラブルも事前にちょっとした準備をするだけで、簡単に防ぐことができます。ここでは、中古車のオークションで、トラブルを防ぐポイントについて解説していきます。
落札価格の相場の把握
中古車オークションの利用を代行業者に依頼する際、事前に落札価格の相場を調べておく必要があります。例えば、落札価格の相場が分からなければ、いくらで売れば良いのかも分かりませんし、代行業者に希望の金額を提示することもできません。
また、適正価格が分からなければ、出品時は相場よりも安く落札されたり、購入時は相場よりも高い価格で落札してしまうかもしれません。落札価格の相場を把握することは、中古車オークションでは非常に重要なポイントになるので注意して下さい。
手数料や利用料の確認
中古車オークションで、愛車が高く車が売れても、手数料や利用料が高ければ、全く意味がありません。業者向けオークションでは、出品した車が落札されなかった場合でも、出品料などの手数料が請求されます。大手代行業者「オートオークション.jp」の料金を一部紹介します。
≪車を出品するときの代行手数料≫
- オークション代行手数料:一律25,000円
※成約時のみ - オークション出品料 :国産車 10,000円/回
輸入車 12,000円/回 - オークション成約料 :国産車 15,000円/回
※成約時のみ 輸入車 18,000円/回 - 外部システム利用料 :一律10,000円
≪車を落札するときの代行手数料≫
- 車両本体価格 :落札した価格
- オークション代行手数料:(100万円未満) 25,000円
※落札時のみ (100~200万円)50,000円
(200万円以上) 落札価格の10% - 応札手数料 :1,000円/回
- オークション参加費 :一律 25,000円
※落札時のみ - 陸送費用 :車種や地域によって算出
- その他税金など :税金類や未預託のリサイクル料金など
- 下見手数料 :2,000円/台
オートオークション.jp:https://auto-auction.jp/price-list/
業者向けオークションを代行業者に依頼すると、上記の手数料が必要になります。車を出品するには「オークション出品料」が掛かりますが、落札されずに流れても出品料は返金されません。上記の通り、中古車オークションでは、落札・成約の有無に関わらず、出品料や応札手数料などの費用が掛かります。
落札後の手続きの把握
中古車オークションで希望の車を落札しても、名義変更完了するまでは取引終了になりません。落札後は、以下の手続きを速やかに行って下さい。
- 代行業者から落札に関する詳細な説明を受ける。
- 代行業者からオークション会社発行の計算書や請求書を受け取る。
- 請求書の落札代金を支払う。
- 車を受け取る。
- 付属品や必要書類一式を受け取る。
- 名義変更を行う。
- 名義変更完了通知を送付して取引終了。
オークション会場によって規約が異なりますが、落札日から1週間~2週間程度のクレーム受付期間が設けられています。万が一、車両に不具合がある場合は、クレーム期間内に申請することで無償修理であったり、修理費用を受け取ることができます。そのため、納車後は必ず車の状態を隅々まで確認するようにして下さい。
落札後から1ヵ月以内に名義変更を行わなければ、遅延ペナルティが課せられます。そのため、ほとんどの代行業者が、落札後から25日以内に名義変更するように求められます。もしも、名義変更に行く時間がない場合は、代行業者でも受け付けているので、速やかに依頼することをおすすめします。
車を落札した後でも、やるべきことが沢山あるので、手続きを把握して速やかに行って下さい。
オークション提供企業の社会的信頼性の確認
オークションを提供する企業は、中古車に対する社会的な信頼性を高めるため、さまざまな取り組みを行っています。一例として、オンラインオークションの先駆け「オークネット」の社会的信頼性を確認していきます。
・社会的に中古車と言えば、非常に社会的信頼性が低いことから、修復歴や走行距などの車両情報を 自社オークションシステムを適正に運用するなど、透明性と責任のバランスに力を注いでいます。
・オークネットでは、ビジョンやミッションを明確に示すことで、オークション運営会社としての存在意義や社会的信頼度を高めています。例えば、オークネットはオンラインでオークションを開催するので、車両を会場に持ち込んで開催する一般的なオートオークションと比較して、二酸化炭素排出量が少ない特徴があります。また、新車生産よりも地球に与える負担を抑える取り組みとして、出来る限り長く中古車を利用することを推進しています。
自動車は、化石燃料から電気で動く自動車へと進化する中、電気自動車を生産する工程は、中古車を動かすよりも二酸化炭素の排出量が多いと言われています。また、中古車を廃棄するときも多くの二酸化炭素が排出されるので、中古車を廃棄せずに少しでも長く社会に循環できる環境作りに取り組んでいます。
オークネット:https://www.aucnet.co.jp/sustainability/SDGs/
オークション提供企業のサポート体制
オークション提供企業のサポート体制は、業者によって内容は異なります。ここでは、一般的なサポート体制を簡単に紹介しますので、利用する際の参考にして下さい。
≪オークション代行業者の主なサービス≫
- 車両の撮影
- 出品リストの作成
- オークション相場の提示
- 会場までの車両運搬
- 車両の下見
- 調整室での指値指示
- 車両の応札
- 陸送の手配
- 名義変更手続き
- 代車の貸出
愛車を代行業者を介して業者向けオークションで売却する場合、業者によっては代車の貸出サービスを行っています。ただし、ほとんどの代行業者は、代車の用意がないので、代車が必要な人は事前に確認するようにして下さい。また、購入時の下見や落札後の名義変更の依頼などは、別途料金が必要になるので、依頼する場合は事前に見積もりなどを取得することをおすすめします。
カーキュア:https://complice.co.jp/carcure/auction/
手数料を抑えて車が売れる「MOTAダイレクト」!
個人で中古車オークションに参加する方法や注意点について解説してきましたが、個人が参加できるオークションには限りがあります。代行業者を介して業者向けオークションに参加する方法もありますが、代行手数料や各種手数料が意外と高いのがデメリットです。また、個人でも気軽に利用できるネットオークションは、手軽に参加できる反面、取引後のトラブルが後を絶ちません。
中間マージンを抑えて愛車を高く売るなら、業者から中抜きされないダイレクト売買サービス「MOTAダイレクト」がおすすめ!MOTAダイレクトでは、車に乗り続けながら出品ができて、希望の金額で売れるまで待つこともできます。また、個人売買に不安を感じている人は、大手中古車販売業者が運営母体の「MOTAダイレクト」を利用してみては如何でしょうか。尚、MOTAダイレクトは沖縄限定のサービスですから、利用する際には注意が必要です。
MOTAダイレクト:https://direct.autoc-one.jp/